4.中村研修リーダーの講評
小島年度の地区運営を振り返って
〜改革の灯を絶やすまい!〜
国際ロータリー第2640地区
地区研修リーダー 中村 幸吉(PDG)
小島ガバナー(当時エレクト)が地区運営について本格的に検討を始められたのは、アナハイムの前の次期会長研修会(2001.11.3)の頃であったと思います。毎日のように、一日でも空けば、”暫くでした”と言う程、頻繁に、電話のやり取りが始まったのもその頃からでした。
まず、問題となったのは、大きな柱として、国際ロータリー(RI)に正式に申請する地区リーダーシップ・プラン(DLP)です。たまたま、ロータリー章典(Rotary Code of Policies)のDLPの項(17.020)の和文を入手しておりましたので、それを小島ガバナーにお渡ししましたが、ガバナーは英文の17.020項もRIホームページからプリントアウトし、とにかく、この章典に基づいて、我が地区のDLPを成文化しょうということになったのです。
私は、皆さんにDLPを判って貰うことだけに腐心しておりましたので、DLPはガバナー補佐を置くこと、と簡略して説明してきましたが、実はDLPは
@ガバナー補佐制度を設けること
A公式訪問を多様化すること
B地区組織を効率のよいものにすること
の3本柱で成り立っています。@は前田年度で試行しました。Aでは、合同例会が進んでおりますが、もう一つ工夫が必要です。問題はBです。他の地区で、地区組織を改造して、大失敗をした例があるのです。
小島ガバナーは、
Aでは、公式訪問をIMで行う。
Bは、地区委員会を、クラブ主導と、地区主導に峻別することによって、これまで、兎角、地区委員会に対するブーイング(クラブの意向が反映していない)が多かったことを解消する。
ことを考えられ、何と、地区幹事の定義にまで言及した、恐らく、日本でも初めてのロータリー章典に則ったDLPを成文化したのです。
このDLPに関しては、既にすべてを消化し、その評価が待たれるところですが、IMの合同例会については、聴衆が多い分だけ、ガバナーアドレスに迫力があったことは確かでした。また、クラブ主導による地区委員会の活動については、クラブからの”地区は勝手に何でも進める”というクレームは皆無でした。ただ、委員長一人の委員会があり、”全く大変でした。”とある委員長さんがこぼされていましたが、どちらかというと、気持ちよく仕事を進められているように見受けられました。
とにかく、ボトムアップによる活動の象徴が、クラブ主導による地区委員会の運営です。この考え方、そしてその手法は、今後も当地区の方向として堅持すべきものと評価しております。
そして、ペッツも終わり、地区協議会です。これは従来の手法が全面的に改革されました。小島ガバナーは、8回にわたる協議会において、全く、”改革”というセリフを口にされませんでした。地区研修リーダーの私だけが、改革という表現で事態の重要性を訴えました。
これまで、恐らく日本中がそうであったと思いますが、地区協議会は次期クラブ会長始めクラブ4大奉仕部門委員長を含めてクラブから次期クラブ役員8〜10名が参加し、地区役員も含めて、総勢1000人近くが一同に集まり、奉仕活動すべてにわたり研修する一大イベントでした。それを小島ガバナーは部門毎に分け、8回、8週間にわたって、実施するという大改革を行ったのです。
この改革に研修リーダーとして乗り気になったのは、小島ガバナーの“私は各部門の委員長さんに、直接、話したい。”の一言でした。これまでは、全体会議の後、8会場に分かれての部門別でしたから、小島ガバナーの願いを達成するには、自動的に8回、8週間の長丁場と言うことになります。
この決断と、その実施の結果には、全く大きな反響がありました。まず、是とする側では、確かに、各部門の委員長に対して、ガバナーの意向がストレートに伝わり、感銘も深まったのです。ポリオと財団寄金の仕分けが見事に達成されたのは、ガバナーが直接、話しかけをしたことの成果の一つといえます。一方、否とする側の最大の言い分は、クラブ役員が一同に集まることによる連帯感と興奮度(盛り上がり)の欠如でした。
研修リーダーとしてその評価は慎むべきところと思いますが、後者の効果はIMとか、地区大会の折に工夫が可能であり、むしろ前者のガバナーの意向が全クラブ役員に専門別に伝わる効果を考えると、この手法の重要性は無視できない、と考えます。
以上、小島ガバナーは事を処理するに当たって、まず、理屈を立て、次いでそれを実施する方法を探り、これまでの手法に拘ることなく進めて、一年を通されました。その当否は、別として、新旧合同地区委員会、諮問委員会、そして多くの方々へのガバナーを終わるに当たってのご挨拶の中で、「この一年間、私の自由にさせて下さいましたことに心からお礼申し上げます」の言葉にすべてが集約されていると、地区の皆様にお伝えしておきます。
他に、触れるべきことも多く残っているのですが、最後に、地区の皆様にお願いしたいのは、小島ガバナーの推進した地区運営の”改革の灯”は絶やしてはならない、さらに、さらに改革を進めて戴きたいと言うことです。些かのクレームの付いている部分もありますが、改革によって生じた軋みは、我々自身の知恵によっていくらでも補えますが、後戻りするようなことがあっては、自らの衰退を招くことになります。”改革の灯は絶やすまい”が年度を終わっての私の願いです。