ハイライトよねやま 28
(財)ロータリー米山記念奨学会
2002年7月11日発行
1. 2002-03年度事業計画と予算決まる 〜 理事会・評議員会報告

 6月14日・東京品川パシフィックホテルで財団法人ロータリー米山記念奨学会の2001-02年度第3回理事会・第2評議員会が開かれ、日本のロータリー35地区から選ばれた理事・評議委員、129名が参加しました。厳しい経済環境のなかで迎える新年度の事業計画および予算の審議が行われました。
 最初に島津理事長から、事業の目的の再確認と新年度の重点目標について説明があり、ロータリーの使命達成に向けて一層の支援をお願いするメッセージが述べられました。
 昨年度から全国で実施した大学推薦制度は大きな混乱もなくスタートしました。大学が推薦した留学生は優秀な学生が多く、面接・選考では今までと違った苦労がありました。一方、留学生の米山奨学金に対するイメージが高まりました。そして地区と指定大学との関係は一段と深まり、地域のロータリーに対する理解の広がりを見せるなど、順調な出足といえるでしょう。
 “優秀な留学生・研究者の支援”は大学の協力なくして達成できません。また、ロータリーの誇る世話クラブとカウンセラーの役割なくしてそのよき成果を期待することはできません。まさに米山奨学事業の成否の鍵はカウンセラーにあります。カウンセラーの役割を強化するためにカウンセラー研修・学習活動を今年度の重点目標の一つに挙げました。各地区では例年5月に世話クラブ・カウンセラーのためのオリエンテーションが行なわれていますが、その後のフォローアップが十分でないのが実情です。奨学生への奨学金支給、交流が始まるとさまざまな問題が出てきます。これらの問題・課題に取り組むことによって奨学事業の質をさらに高めることができます。過去の経験とノウハウを活かした学習活動、大学と共同で行う異文化間カウンセリング、アドバイジングの研修などがその主な内容です。今年度はモデル地区を設けて実施をお願いし、それを全地区に広げていきます。
 2002年度予算を要約しますと、収入は、寄付金収入が前年度を5千万円下回る17億5千万円としました。また、特別積立金より2億円を取崩し、前期繰越金3億円を含めて、収入総額は24億2600万円となります。支出では、奨学金を含む事業費は19億7600万円、会合費を含む管理費は1億1300万円を計上しました。事業費が当期支出に占める割合は93.7%、管理費は5.4%となります。寄付金増進のためにタスクフォースを設けて協力を呼びかけ、事務費・管理費の節減に更なる努力をして奨学生1000名の支援を続けるために全力を傾けます。皆様の一層のご支援、ご協力をお願いします。(事務局長 宮崎幸雄)

2. 寄付金速報  〜2001年度寄付結果発表!皆様のご協力に感謝〜

 2001年7月から2002年6月までの寄付金額は1,699,777,270円。前年度と比べて4.9%、約8700万円の減少となりました。普通寄付金は前年同期比2.4%減、特別寄付金は5.8%の減少です。全国個人平均寄付額は14,771円となり、15,000円を下回るのは、寄付が減少を始めた97年度以降でも初めてのことです。一方で2800、2770、2840地区は、個人平均寄付額が前年度よりも1000円以上増えています。2001年度の個人平均寄付額は2004学年度の奨学生割当数に関わります。また、全クラブから特別寄付をいただいた地区が4地区 (2550,2590,2780,2650) あります。新年度は特別寄付未納クラブゼロを目指し、ひとりでも多くの方に米山奨学事業へのご支援をお願いします。(羽白・大庭・武本)

3. 第2回2002-03ガバナー・エレクト研修会  〜寄付増進の秘訣は〜

 6月14日、理事会・評議員会終了後、第2回2002-03ガバナー・エレクト研修会が、「寄付増進」と「地区米山役員協働のためのガバナーの役割」をテーマに開催されました。

 毎年個人平均寄付額が上位にある地区の理事から、寄付増進の秘訣はガバナーが寄付目標額を設定することと、「寄付をしない者を責めずに寄付をした者を誉めること」であるとお話がありました。出席者からは寄付目標額設定の大切さと、米山奨学会をPRすることの必要性について認識できたという感想がありました。 (西辻)

4. 2002-03年度米山奨学委員長セミナー開催報告

 6月15日、東京・高輪プリンスホテルにて2002-03年度の地区米山奨学委員長を対象としたセミナーが開催されました。米山奨学委員会運営の実務について説明があったほか、事業の目的と使命、およびカウンセラー研修会の必要性が確認されました。また、寄付金増進は“地区における寄付額目標設定”が重要であり、米山担当者個々の自助努力が基本ではあるが、ガバナーの関心と理解が必須である点が強調されました。

 なお、グループ討議では、免税措置PRの強化、奨学金額と授業料免除の関連、他クラブへの卓話実施の効果、地区米山奨学委員会運営システムの実例(6人編成で運営し、5年目経験者が委員長となるシステム)、など、検討課題を示唆する項目が多く寄せられました。(栗原)

5. 「人々に喜ばれるために」〜高額寄付者・田沼玉代さんの言葉

 2001年度のまとめとして、高額寄付者の田沼玉代さんをご紹介いたします。
 2000年まで東京西RC(2750)の会員であった故田沼文蔵さんの追善として、ご夫人の田沼玉代さんは、2001年7月に200万円もの多額のご寄付をされました。(ご子息の田沼千秋さんも同月に30万円ご寄付されています)文蔵さんは2000年に他界されましたが、お二人で会社を創業し、「人に喜ばれてこそ、会社は発展する」をモットーに経営をされておりました。文蔵さんは戦地で多くの若い部下を失った経験から、戦後できる限り若い人の役に立つよう努力されてきました。文蔵さんのご遺志と玉代さんご自身の「人々に喜ばれることをしたい」という日頃からのご意志によって、ご寄付されたとのことです。
 玉代さんは「奨学金でアフガニスタンのように政情や経済が不安定な国々の若者を支援できたらどんなに良いだろうか」と、米山奨学金への期待や希望を語ってくださいました。
 米山奨学会へのご支援・ご協力、心から感謝申し上げます。(大庭)

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