ブックスタート
有田南ロータリークラブ
会長   長崎 靖彦

赤ちゃんのことばと心を育むためには、母親の抱っこの暖かさの中で温もりを感じながら、優しく語りかけてもらう時間が大切だといわれています。ブックスタートは、そのかけがえのないひとときを「絵本」を介して持つことを応援する運動です。

1 ブックスタートの仕組み
 
 社会情勢の目まぐるしい変化により、子供の育つ環境も否応なく変貌しています。
近年、子供の育ち方や親子関係のあり方を各々の家庭の問題としてだけでなく、地域社会の課題として捉えたさまざまな取り組みが模索されています。
 その取り組みのひとつとして
 具体的には地域の保健センターでの0歳児検診に参加したすべての赤ちゃんと保護者を対象に、絵本などが入ったブックスタートパックを、メッセージや説明を添えながら手渡しします。(ブックスタート支援センター設立趣旨書より)
 
 2 当クラブの取り組み方
 
 昨年度にテリトリーである有田郡5町(湯浅町、広川町、吉備庁、金屋町、清水町)の代表者と話し合い、企画を進めました。
 特に各町には数組のボランティアが活躍されており、当事業に積極的に協力していただける事を確認した上で、ブックスタート資料を提供する事になりました。
 ここ数年、各町も行政改革のあおりで財政状態も殊の外厳しくなっており、既成事業以外への支出は困難を極めており、町財政からの支援が得られるまでの間、積極的に支援を行いたいと考えています。   
 
 3 進行状況 
 
 2002年8月、金屋町文化保健センターで行われた0才児健診日に図書館員、保健婦、ボランティアの皆さんの協力で最初のブックスタートが行われました。
 各町のボランティアには高校生、青年、婦人会の方々が参加くださり、2人が1組となり各母子にブックスタートの概要を説明し、本を手渡して下さいました。
 高校の女生徒が可愛い赤ちゃんとお母さんに囲まれ一生懸命に説明されている光景から明るい未来を会間見る事か出来ました。

4 期待される成果
 
 ブックスタートは「赤ちゃんと本の楽しいひとときを分かち合おう」を合言葉に1992年、英国に始まり、英国の90%以上の自治体で実施されています。
このブックスタートの効果について追跡調査したバリー・ウエイト教授はこれに参加した家庭では、本に対する関心が高まっている事、子供に集中力がついた事、また就学時の学力が言語面・計数面双方において高くなっている事を報告しています。
一方児童心理学者の秋田喜代美教授も本が提供され、専門科のサポートも加わわる形で支えられる事により子供の生涯にわたるコミュニケーションの力や本を通じて文化への関心も深まる点がブックスタートの特徴と述べてます。