南大阪赤十字血液センター事務部長
辻野健次
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今、日本は本格的な少子高齢化社会を迎えようとしています。これに伴い血液を必要とする多くの高齢者の方々が増加し、その反面で将来の献血者の基盤を担うべき若者層が減少して、今後は輸血用の血液の不足が予測されています。 |
輸血は年間、140万人の患者さんが全国で輸血を受けていると言われています。年代的に見ますと50歳代以上で75%を占めており、年代が高くなるにつれて血液を使用する率が高くなっています。また、どのような病気に血液が使用されるのかと申しますと、癌などの治療で全体の48%、血液の病気で17%、循環器系では12%等であります。 |
一方、献血はどうかと申しますと、年間、全国で約600万人の献血のご協力を得ていますが、シーズンによっては偏りがあり、冬季、つまり12月から3月頃のいわゆる寒い季節は血液不足に陥りがちであります。 |
大阪府、和歌山県においても同様であり、これが対策に苦慮しているところであります。 |
血液事業は、赤十字が国の負託を受け、献血の受入れから輸血用血液としての安全性の確認、そして輸血用血液製剤の製造、医療機関への供給まで、全て赤十字血液センターの手によって執り行われているところでありますが、今、申し上げましたように献血の安定確保が大きな課題の一つになっています。 |
この度、国際ロータリー第2640地区として、「献血の推進について」格別のご配意を賜りましたことに大変感謝申し上げます。 |