職業奉仕月間によせて
職業奉仕の原点を考える

地区職業奉仕部門カウンセラー
             パストガバナー 堤 啓治
パストガバナー Rotarianは不況に強いという神話がある。これは「フーバー・タウン」の名のエピソードとして知られている。
 1929(S4)におこった米国経済の大恐慌(Panic)は世界中の経済学者の誰もが予想しなかったもの。昨日の成金は一夜にして乞食となり、着のみ着のまま西へ西へと流れて行き、California州の首都サクラメントの周辺を流れるサクラメント河岸に掘建小屋を造って住みついた。「畜生、大統領のフ−バーの奴が無能だからおれ等はこんな目にあうんだ。」と言って誰言うともなく、フ−バー・タウンと呼んだのである。
 このような悲惨な状況下でも倒産しない企業家が何人かいた。「アイツは潰れないね」「アイツも潰れない」「アイツ等は皆胸に変なGear Badgeをつけているよ」と。Badgeをつけている者が潰れないのはどんな理由かと尋ねると「オレ等は潰れないよ。もちろんこんな不景気だから多少はお客は減りはしたがね。オレ等は奉仕の哲学をもっていて、商売をするときは何時もお客の立場を考えているから、お客との間に信頼関係と言う無形の財産を作りあげているよ。而もオレ等は互いに扶け合っているからね。だから不況にも強いのさ」と。これは当時のRotarianの職業奉仕の実体の一面を示す事例である。
 20世紀の初め頃、米国は教育、文化、経済の面では輝かしい発展を示し乍らも、反面商業の面では道徳は廃退し、悪徳業者の横行が著しく何等かの社会倫理の改善が望まれている時期でもあった。このような時期にRotary Clubが誕生し、会員の親睦と職業上の相互扶助を綱領として発足した。
 当時のRCでは会員は相互に物質上のみでなく、精神的にも互いに励ましあい、援けあいに務めた結果、会員の大部分が田舎出の中小企業者ばかりだったが、僅か数年の間に、経済的にも社会的にも地域社会での中心人物となり皆一流の事業家になった。
 ところがこのような自分等の利得を、自分等だけが享受してよいのだろうか、地域の人々にも共に分かちあうことがいいのではないかと言う反省が芽生えてきた。1908年になってRotaryに不滅の足跡を残した2人の会員の入会があった。その一人はArther Fredrick Sheldon、今一人はChesley R,Perryである。SheldonはRoteryに初めてServiceの概念を導入した人である。PerryはRCの組織化によってRIの体型を作りあげた功労者である。
 SheldonはMichigan州の出身、Michigan大学卒業の秀才で販売学の大家でもあった。彼の理論は、「商取引きは売り手と買い手との満足感の上に成立する。そのためには信用と呼ばれる信頼関係を確立することが重要であり、長期に亘って安定した利益をあげることと、その信頼関係の確立とは表裏一体である。この精神的境地はRotary精神即ち相互扶助の理論的根拠と全く一致するのみでなく、相手のためにつくすと言うServiceの概念とも合致すると断定し、職業上の相互扶助は職業奉仕と言うべきものであり、又クラブの仕事はクラブ奉仕と言うべきものである。初めてRotaryの世界にServiceの概念を導入したものである。彼は「永続的に成功する商売は相手方にServiceを提供することによってのみ認められるもので、商取引きに関係する、すべての人々が利益をうけるものでなければ正当なものでない」と述べている。



米山月間によせて

米山記念奨学会部門カウンセラー
           パストガバナー 大丸昌讓
パストガバナー 第2640地区クラブ会員の皆様には平素より(財)ロータリー米山記念奨学会に対し温かいご厚志を賜って居りますことに心より御礼申し上げます。
 前年度、経済不況の中にもかかわりませず2000〜2001年度におきましては当地区寄付総額8,085万円でございました。また一人当り平均寄付額23,320円となり前年度に引き続き全国第2位のご支援を頂きました。心より深く感謝、お礼を申し上げます。
 尚、米山記念奨学会、全体での寄付額は昨年度17億8,679万円であり一昨年に比べ4,021万円の減少でありました。昨今の経済情勢の厳しさや全国的な会員減少に起因するところ大であったと思われます。米山奨学生総数は1,000名でありました。
 当2640地区2001年度の奨学生数は以下の通りであります。
  Y学生 CY 総計
新規 25名 1名 36名
継続 9名 1名
 (財)ロータリー米山記念奨学会では21世紀の米山奨学事業改革のため「もう一度考えよう〜米山奨学事業」をテーマに1999年度より基礎調査、セミナー、ロータリアンの対話等を通じ米山奨学事業の目的と使命の再確認等実施をして参りました。

(1)目的の再確認
  その目的は「米山奨学事業は、ロータリーの理想とする国際理解と相互理解に務め、国 際親善と交流を深めるために優秀な留学生を支援し、国際平和の創造と維持に貢献する ことを目的とする」であります。

(2)米山奨学生に求められる優秀性
 (イ)学業
 (ロ)異文化理解
 (ハ)コミュニケーション能力
 (ニ)地域交流、ボランティア活動
として居ります。
 これらの優秀性は初めから求められるのでなく、ロータリーの例会や活動の中で育成され、学生の自己実現の過程において熟成される性質のものであると考えております。

(3)2002年度より大学推薦制度を35地区で実施されることになりました。

(4)クラブ創立記念寄付について
 ○○周年記念事業としてクラブより特別 寄付を頂く寄付が年間約100クラブござい ます。今年度より記念寄付に対し感謝状を贈 呈することになりました。

 10月は米山月間であります。各クラブ米山奨学委員会におかれましては会員の皆様に米山奨学事業の目的、意義、歴史、最新の情報等、お伝え頂くと共に米山奨学生を招いての卓話、ビデオの上映など企画されクラブ会員の方々に奨学会の現状など周知させて頂きたいと存じます。また米山月間は米山奨学事業推進月間でもあります。厳しい環境ではございますが各クラブにおかれましては会員の皆様に特別寄付のお願いや、米山功労のクラブ達成のためのご協力をお願いして頂きたいと存じます、今後のご支援を前田ガバナー共々、心よりお願い申し上げます。

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