ガバナーメッセージ
 
『親睦』に生きる!
 
国際ロータリー第2640地区
ガバナー 前田孝道
 
 人のこの世に争いが絶えない。何ゆえでありましょうか。人生には喜びもあるが、苦しみや悲しみもまたはてしない。なぜでしょうか。人は皆幸せを求めている。なのにせっかくつかんだと思われる幸せも、ぽろぽろこぼれ落ちてゆくはかなさはどうしたことでしょうか。
 これについて、これまで多くの人々が思索を重ねてきました。そしてそこに幾多の思想や宗教が生まれ、それを信ずる人々の生きる指針となってきました。しかしこれとてもどうやら完全なものでは無く、全ての悩み苦しみが解決されたわけではありません。
 お釈迦様は、人間の悩み苦しみの根源は「無明」(むみょう…おろかさ)にあると述べられています。つまり大事なことに気がついていないということです。一番大きな問題は、人間は生まれながらにして本来個独なるものであり、限りある命と身体を持っていること、そしてやがて訪れる死のことを忘れています。また人間の持つ殆ど際限のない欲望をどうするかこれが問題です。あらゆる戦争、紛争の元は人間の欲望から起こってきます。ある意味で人間を守り人間の欲求を満たしてくれる国家、所属する宗教団体、生産や営業等の諸団体も、利害相反する問題が起こってきた時、問題解決の方策を誤れば、それは多くの人々を塗炭の苦しみに陥らせることになると言うことです。
 そのことに気付き「親睦」と「奉仕」の非営利・非政府・非宗教への道を切り開かれたのがロータリーの創始者ポール・ハリス氏でありました。そしてまた職業奉仕を説き、それぞれの国家・宗教は尊崇しながらも、且つ脱営利・脱政府・脱宗教の方針が、今日の世界的なロータリーの組織への発展につながっていると思います。
 孤独はさみしい。気心のあう友達がほしい。「友愛は人の喜びを倍にし、悲しみを半分にする」と言う言葉がありますが、良き友人、それがどれだけ人生を豊かにしてくれるか、ポール・ハリス氏はそのことをよくご存知でした。ロータリーの原点はあくまでも「親睦」にあると思います。そして「親睦」はロータリアンの心であり、ロータリーの「奉仕」も「親睦」とは別のものではなく、同じ悩み・苦しみを持つお互い人間同士が、他者を思う友愛の心「親睦」の心からうまれてきた行動、それが「奉仕」であると思います。行動を伴わない頭で考えているだけの「奉仕」など有り得ないことです。
 ロータリー96年の歴史の中で、数少ない日本人のRI会長向笠広次氏(1982〜83)の掲げられたRIテーマは「人類は一つ…世界中に友愛の橋をかけよう」でした。今のRI会長リチャードD.キングさんは向笠広次氏がRI会長の時ガバナーエレクトとして研修を受けられ、向笠氏に傾倒して大の日本贔屓になられました。それで本年ご自身がRI会長に就任されるに当たってRIテーマに向笠氏の用いられた「人類」の語を取り込み、「人類が私たちの仕事」とされたと聞いています。
 世界には恵まれない人々が何十億もいます。10億人を超える人達が飢餓に苦しみ、数十億の人々が読み書き計算ができないのです。「それはその人達の努力が足りないからだ!」とか「自業自得だ!」とは言えない事情が背景にあります。「人類は一つ」・「人類が私たちの仕事」と考える私たちロータリアンは、会員増強その他RI、地区の目標達成に励むと共に「親睦」と友愛の心で、今後も奉仕活動に励みましょう。(No.6―2001.12.10―)
 
2001年 2002年
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月
 
水田博史直前ガバナーへの感謝の言葉
 
MANIND IS OUR BUSINESS 2001-2002 TOP